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Dead Man Walking

最近、あちこちでよく「千の風になって」を耳にしますが。
正直言って食傷気味です。

一応誤解を避けるために言わなくてはならないんですが、この歌は大好きです。
あの詩の内容にはとても共感しますし、あの曲もとてもいい曲で
聴くたびにわたしの心を揺さぶります。が。
特にテレビでは最近、人が亡くなるような悲しい話には必ずと言っていいほど
この曲が使われるようになり、それが流れた次の日には大体、
どこかしらの街なかでこの曲が流れています。

ちょっと安売りしすぎなのです。

この曲は、ひとり心にあることを静かに振り返るためのスイッチとして必要な
”特別な触媒”であって、「ね?そうでしょ?そうでしょ?」と押し付けがましく
同意や同情を求めるための曲ではない、とわたしは思っています。
少なくとも、わたしの心の中での位置づけは、
軽い気持ちでサラっと毎日聴ける、安い流行歌ではありません。

わたしは、今生きているほとんどの皆さんと同じように、
身近な人の死というものを経験しています。
身近な人だったからこそ、振り回されて大変だと思った事もたくさんありましたし、
だけど、その人の人生に関われて良かったと思う事も同じくらいあります。
そんな故人に対する思い出というものもやはり、毎日、嬉々として語るものでは
ないのと同じで、ひとり静かに、とか、故人を偲ぶ集いで振り返るもので、
「千の風になって」という曲はそういう立場のものなんだと思うのです。


ところでタイトルの英語、直訳すると”歩く死人”となってしまいますが、
こういうタイトルの映画があります。日本でも「デッドマン・ウォーキング」
という、そのままのタイトルで10年くらい前に上映されたと思います。
ある死刑囚の、死刑確定から執行の日までのお話です。
”ある死刑囚”とは言いましたが、その人が死刑囚になるには、もちろん
ひどい殺され方をした被害者と、その遺族という存在もあるわけですが。

避けることの出来ない死を目前にした死刑囚が、「やってねーよ」というような
態度から、ひとりの修道女を通して、己の行動を心から悔やみ、反省し、
残された被害者の遺族への心からの謝罪、そして死刑執行の日に至るまでの
心の動きを描いたものです。
ちょっと説明が下手なのでどうしようもないストーリーに見えてしまいますが
大半の人が「感動系」ととらえるようなタイプの映画です。

なんていうか、初めは「こいつ生きる価値も死ぬ価値もないよ」と言いたくなるような
犯罪者なんですよ。それが徐々に心を入れ替え、看守が誇り高く
「Dead Man Walking(死刑囚のお通りだ!)」と言って死刑執行に向かう頃には
昔の日本人みたいに「己が罪を悔いて立派に死になさい」と言いたくなる
澄んだ人間へと変わっていく過程がいいんですが、やっぱり説明が難しいです。

なんでこんな映画の話をしたのかというと、「千の風…」というのは、
お墓には”わたし”はいない。記憶としてあなたに在る、という、
あくまでも「残された人」への少しの戒めと慰め。
そんなわたしの記憶が、かつての友人の希望と誇りを取り戻してくれた
映画がこれだった事を思い出した、というだけです。
そういう人の人生に関われて良かった。
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かえで猫

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    メインです。どうぞごゆっくり。

    愛知県に同名のバーが
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    残念ながら無関係です。
    山崎12年を抱えて
    寝るほど好きですがw

    annie_s_bar@hotmail.co.jp
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